Vimエディタで線を描画する
この記事では、構造化テキストや、メモの見出し項目、あるいは図を描画する際に多用することの多い、 ライン、線の描画方法を紹介します。 (Windows, Mac)
概要
この記事では、構造化テキストや、メモの見出し項目、あるいは図を描画する際に多用することの多い、
ライン、線の描画方法を紹介します。
ここでいうラインとは、下図の例で言えば、「概要」という文字の上下に引かれた直線の事です。
この例では、1本のラインは60個の「=」で構成されています。
このラインを描画する方法を説明します。
============================================================ 概要 ============================================================
繰り返しを利用して線を引く
もっとも単純で手軽な方法です。手早く、一定の長さのラインを描画できます。
まず、ノーマルモードでラインの長さの数値を入力した後、 i を入力します。
今回の場合は、 60i と入力することになります。
60i
すると、入力モードに入るので、
次に、描画する線を構成する文字を入力します。
今回の例の場合はラインは「=」で構成されているので、 = と入力します。
=
そこまで作業したら、 ESC キーを押下して、入力モードを抜けてください。
60個の「=」で構成されるラインは描画できましたか?
うまくいけば、次のように描画されます。
============================================================
リプレースモードを利用して線を引く
ビジュアルモードでラインを引きたい範囲を選択して、 r キーで、選択範囲文字を置換する方法。
この方法は、線の引かれる範囲、挙動、やり方がとても分かりやすいのが利点です。
v キーを押下してビジュアルモードになり、線を引きたい範囲を選択してから、
概要(この上に線を引く)
r キーを押下してリプレースモードに入り、
置換文字として線を構成する文字、この場合は、 = と入力します。
r=
うまくいけば、次のように描画されます。
============================================================ 概要(この上に線を引く)
virtualeditオプション
リプレースモードを利用する方法では、線を引く範囲をビジュアルモードで選択する必要があるので、
あらかじめVimエディタの設定ファイルで、「virtualedit」オプションに「block」か、「all」を設定しておくと便利です。
「virtualedit」オプションに「block」や「all」を設定しておくと、
文字の無いところにカーソルを移動できるようになるので、線を引く範囲を指定しやすくなります。
" 設定例 " ビジュアルモードの矩形選択時に仮想編集できるようにする。 :set virtualedit+=block " いくつかのモードで仮想編集できるようにする。 :set virtualedit+=all
Note
ノーマルモードで Control-v と押下すると
ビジュアルモードで矩形選択できます。
設定 | 説明 |
---|---|
block | ビジュアルモードの矩形選択時に文字の無いところまで選択範囲を広げられる。 |
all | いくつかのモード(ノーマル、入力、ビジュアルなど)で、文字の無いところにカーソルを移動できるようになる。 |
Note
virtualeditオプションの詳細については、Vimエディタのヘルプを参照してください。
:help virtualedit
プラグインを利用して線を引く
「DrawIt!」のような、描画用のVimエディタプラグインもあります。
参考: DrawIt!
http://www.vim.org/scripts/script.php?script_id=40
描画用のプラグインをインストールすると、線を引く機能以外にも機能があるので、なかなかお得です。
DrawIt!プラグインの使い方 その1(カーソル移動による線の描画)
DrawIt!の使い方を簡単に説明します。
- \di を入力して、DrawIt!の描画を開始します。
- DrawIt!プラグインの描画を開始した後で、 ↑ ↓ ← → キーを押下してカーソルを移動すると、カーソルの通った位置に線が描画されます。
- DrawIt!による描画を停止するには、 \ds と入力してください。
また、DrawIt!による描画中に Space キーで、カーソル移動で線の描画、カーソル移動で消去、と機能を切り替えられます。
DrawIt!プラグインの使い方 その2(選択範囲への線の描画)
- その1の方法の時と同じく、最初に \di を入力して、DrawIt!の描画を開始します。
- Control-v をビジュアルモードの矩形選択を開始します。
- 線を描画する範囲をビジュアルモードで選択する。
概要(この上に線を引く)
- \l を押下する。
- 選択範囲に線が描画されます。
____________________________________________________________ 概要(この上に線を引く)
Note
DrawIt! には、他にも機能があります。
詳しくは、DrawIt! プラグインのドキュメントを参照してください。
:help drawit